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vol18

わたしのマチじかん [17]

わたしのマチじかん

こんな時、あんな時、
占いへ行く

 店のオープン直後に到着したが、2席しかないそこには、すでにどなたかが座っていた。うぬぬ。やはり予約必須か。先客を眺めながらスマホを取り出し、予約したい旨を伝えると、2時間後に取れた。
 そしていざ予約時間、出陣!
 すだれをそうっとよけて、お願いしますと椅子に座るや否や「あら~あなたオトコに頼るの嫌いでしょ。専業主婦は性に合わなそうね」と一言。うお。急に何ということを言い出すのかこの先生は。確かに自分、専業主婦をしていた時期があるが、おうちにいる割に家事もしないし、人生初! ゲームにハマって怠惰な時間を過ごしていた。そのあとすぐに仕事復帰はしたが、確かにあれは暗黒の3カ月だったな…。
 動揺を抑えつつ、表に書かれた膨大な占いメニューを眺めると、恋愛や仕事など1つに絞っての占いなら15分からと気軽だ。そして、手相、生年月日、姓名など複合的な方法で見てくれるらしい。ドキドキしながら手のひらを出すと、ペンで線を書かれながら「あら。お金が貯まらないタイプね」と言われ、はい、使っちゃいます、と心の中で即答。先生の言葉にむむむと唸ったり、へえへえと納得せざるを得なかったりと、んもう、とりあえず完敗でござい。
 そして帰り道。先生が最後に「なんだってできるよ!」と言った笑顔を思い出し、うむ、と前を向く。困った時のちょっとしたご指南は、第三者だからこその価値。
 辛口が ピリッと効き聞く 占いなり (字余り)

●開運館E&E
[アピア/ウエストB1F]

金澤佑樹

金澤佑樹エッセイスト

旅エッセイスト・ライター・札幌観光大使。札幌の魅力に取りつかれ、関東から移住。北海道内をあちこち旅してエッセイを執筆している。